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クラウド会計の自動仕訳はどこまで使える?活用のコツと注意点

クラウド会計の自動仕訳はどこまで使える?活用のコツと注意点

自動仕訳とは?クラウド会計ソフトの基本機能

クラウド会計ソフトの自動仕訳機能とは、取引データを自動的に仕訳に変換する機能のことです。銀行やクレジットカードの明細を連携し、取引内容に応じて適切な勘定科目を自動で振り分けます。

例えば、クレジットカードで「Amazon」との取引があれば、過去の取引履歴から「消耗品費」として自動仕訳を作成するといった動作を行います。これにより、手入力の手間が省け、仕訳ミスも減少します。

銀行・クレジットカード連携でどこまで自動化できる?

多くのクラウド会計ソフトでは、銀行口座やクレジットカードの明細と連携できます。これにより、入出金のデータをリアルタイムで取得し、自動仕訳が作成されます。

自動化できる取引の例

・事業用クレジットカードの利用履歴(例:交通費、消耗品費
・銀行口座の入金・出金(例:売上の入金、家賃の支払い
・電子マネーの利用履歴(例:SuicaやPayPayの利用

ただし、個人利用の支出と事業用の支出が混在する場合は、正しく仕訳されているかの確認が必要です。

AIの学習機能を活用して仕訳精度を向上させる方法

クラウド会計のAI学習機能を活用すれば、過去の仕訳データをもとに精度を向上させることができます。

仕訳精度を向上させるポイント

初めのうちは仕訳を確認し、誤りがあれば修正する
・適切な勘定科目を設定し、誤った自動仕訳を学習させない
・定期的に仕訳ルールを見直し、最適化を図る

AIは学習を重ねることで精度が向上しますが、誤った仕訳が続くと間違った学習をするため、定期的なチェックが不可欠です。

自動仕訳の「ルール設定」を活用して手作業を減らす

仕訳ルールを設定することで、クラウド会計の自動仕訳の精度を向上させることができます。

仕訳ルールの活用例

・「スターバックス」の支払いは「交際費」にする
・「Amazon」の支払いは「消耗品費」に設定する
・「電気料金の引き落とし」は「水道光熱費」に仕訳する

このように、よくある取引についてルールを作成しておくと、経理の手作業を大幅に削減できます。

自動仕訳のままでは危険?経理担当者がチェックすべきポイント

クラウド会計の自動仕訳は便利ですが、完全に任せきるのは危険です。

チェックすべきポイント

摘要の誤認識:取引先名だけで判断されることがあり、異なる勘定科目が適用される場合がある
消費税区分のミス:税率の変更や軽減税率の適用ミスが発生する可能性がある
手入力が必要な取引の見逃し:給与や社会保険料、複雑な経費精算は自動仕訳では対応しきれない

自動仕訳を活用した月次決算のスピードアップ術

自動仕訳をうまく活用すれば、月次決算のスピードを大幅に向上させることができます。

月次決算を早くするポイント

銀行やクレジットカードとの連携を活用し、取引をリアルタイムで取得
・仕訳ルールを事前に設定し、手作業を減らす
・定期的に仕訳データをチェックし、月末にまとめて修正しないようにする

まとめ

クラウド会計の自動仕訳を活用することで、経理業務を大幅に効率化できます。しかし、完全に自動化できるわけではなく、適切なルール設定や定期的なチェックが必要です。
クラウド会計ソフトを最大限に活用し、経理業務の効率化とミスの削減を実現しましょう!

このコラムを監修した税理士

田代 健太郎

クロスト税理士法人 代表社員

近畿税理士会所属、登録番号126849号
税理士法人3社での勤務を経て、2015年に「田代健太郎税理士事務所」を設立。その後2018年に法人化し「クロスト税理士法人」に。
財務・税務調査の専門家として、決算申告業務、経営支援業務、独立・開業支援業務、医業福祉業の経営支援業務などの業務を提供。
法人に対する支援業務にとどまらず、生命保険・金融資産の検討・見直し、不動産運用に関するコンサルティング、
また相続申告、相続対策など、個人に対しても幅広い各種サービスを提供している。

書籍:「税務調査の良い受け方・正しい対応方法」、「会社経営者であれば知っておきたい節税のイロハ」、「創業計画書つくり方・活かし方」、ゼッタイ得する会社のつくり方はじめ方」、「相続の税金と対策」、「歯科医院経営の成功手法がわかる本」他。

クロスト税理士法人 https://crosst-tax.jp/

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