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源泉所得税の『納期の特例』を利用する条件と注意点
源泉徴収は事業者が給与や報酬・料金を支払う際に、あらかじめ所得税の分を差し引いて、本人の代わりに納付する制度です。
日本の税金徴収方法の一つで、会社や個人事業主は差し引いた源泉所得税を原則として支払った月の翌月10日までに納付しなければいけません。
給与の支払いが発生している場合は、毎月差し引いた源泉所得税を納付することになりますが、一定の条件を満たしていれば、特例によって納付の頻度を減らすことができます。
源泉所得税の『納期の特例』について、利用する条件などについて解説します。
源泉徴収の範囲と遅延などによるペナルティ
源泉徴収の対象となるのは主に給与所得ですが、それ以外にも個人事業主やフリーランスなどの個人に報酬・料金を支払う場合にも、支払い額から所得税分を差し引く必要がある場合があります。
所得税法で、以下の報酬・料金の場合に源泉徴収の対象となると定められています。
<個人の源泉徴収の対象となる範囲>
(1)原稿料や講演料など
(2)弁護士、公認会計士、司法書士等の特定の資格を持つ人などに支払う報酬・料金
(3)社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
(4)プロ野球選手、プロサッカーの選手、プロテニスの選手、モデルや外交員などに支払う報酬・料金
(5)映画、演劇その他芸能(音楽、舞踊、漫才等)、テレビジョン放送等の出演等の報酬・料金や芸能プロダクションを営む個人に支払う報酬・料金
(6)ホテル、旅館などで行われる宴会等において、客に対して接待等を行うことを業務とするいわゆるバンケットホステス・コンパニオンやバー、キャバレーなどに勤めるホステスなどに支払う報酬・料金
(7)プロ野球選手の契約金など、役務の提供を約することにより一時に支払う契約金
(8)広告宣伝のための賞金や馬主に支払う競馬の賞金
事業者はこれらの報酬・料金や給与から所得税分を差し引き、翌月の10日までにまとめて納付する必要があります。
たとえば、6月に給与の支払いを行なったとしたら、その分の源泉所得税の納付は翌月の7月10日までになります。
このように源泉所得税を納付する義務がある事業者のことを「源泉徴収義務者」と呼びます。
もし、納付が期限までに間に合わなかったり、漏れがあったりした場合には、源泉徴収義務者がペナルティとして「不納付加算税」を納付しなければいけません。
不納付加算税とは納付すべき所得税額の10%が徴収される加算税のことですが、遅延した後からでも自発的に源泉所得税を納付すれば5%に軽減されます。
また、災害や交通の遮断、もしくは納付の委託を受けた金融機関の事務処理のミスなど、源泉徴収義務者側に遅延の責任がない場合は、ペナルティを受けることはありません・・・
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