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【労働基準監督署】調査の実態とは!!

 毎年11月は、全国の労働基準監督署調査のキャンペーン期間となっています。いつ調査があっても問題がないように準備はできているでしょうか。 ここ最近は、「過重労働解消キャンペーン」と銘打って時間管理と長時間残業に対する指導が大変厳しくなってきました。今一度ご確認お願い致します。

①労働基準監督署調査とは

  労働基準監督署調査とは、「労働基準法、労働安全衛生法、労働者災害補償保険法」において法令違反がないように取り締まる調査です。 具体的には、全国の都道府県に設置され、その地域を管轄する労働基準監督署から調査の依頼があります。またこの調査内容は近年、厳格化されてきている特徴があります。

②調査内容が厳格化されている

 この調査内容が厳格化されてきている理由には「働き方改革による影響」が大きいです。その一番は長時間労働の抑制です。具体的には、

・時間管理が適正になされているか、

・月の残業時間が80時間、100時を超えて勤務している従業員がいないか 

・長時間勤務による残業代が適正に清算されているか等が重点的にチェックされます。またこのような是正を受けた場合には、実際に勤怠状況が改善されるまで毎月に渡って出勤簿、賃金台帳を提出しなければならず、調査対応に追われることになります。

③従業員にとって身近になった労働基準監督署

  またこのような時代背景と合わせて、労働基準監督署は、従業員がもっとも労務相談しやすい窓口にもなっております。一般的に労務トラブルの解決機関として、ユニオン(労働組合)、労働局によるあっせん、弁護士、民事裁判等が挙げられますが、これらは費用や手軽さからすると利用するには垣根が高く、身近にある労働基準監督署が相談しやすく相談件数も増加しております。

④労働基準監督署の調査概要

 労働基準監督署の調査は、2つに分類されます。

1)定期検査

 計画的に実施される労働基準監督署主導の調査のことで、原則として立ち入り検査は行われず、必要書類を持参のうえ事業所の担当者が労働基準監督署に出向くことになります。

2)臨時検査

 従業員からの申告(内部告発)に基づいて実施され、また重大な労災事故の発生や労災申請を従業員が自ら行った場合にされる調査のことで、その裏付けとなる事実を中心に立ち入り検査が行われます。そして申告内容に基づいて労働基準監督署に呼び出されることもあります。これらはいずれも違反があれば是正勧告や指導を受けることになり、改善が見られない等、指導に従わない場合には、厚生労働省のHPに掲載されたり、書類送検ということもあります。 この調査に求められる必要な書類は、次の通りです。

【労働条件】

・雇用契約書(労働条件通知書)  就業規則、給与規定類(事業場が10人以上の場合は届出印がないと是正勧告の対象となります)

【労働時間】

・タイムカード・磁気カード等の労働時間の記録、36協定、変形労働時間制の労使協定 (注意)管理監督者も労働時間の把握義務はあります。

【賃金】

・賃金台帳(注意)過去3ケ月から1年、最大で2年分の提出を求められることがあります。

【年次有給休暇】

・管理簿(注意)実際に運用しているものを提出します。

【健康管理】

・定期健康診断通知書の控え等(対象者全員分)

⑤労働基準監督署 

 監督官の実務対応 これらの実務対応として、次のような注意が必要です。

1)立ち入り調査があった場合には、その場で受けずに事前準備を行ってから対応すること

2)是正報告が遅れる場合にはその連絡をすること

3)監督官からの質問は、そのことのみ回答すること

4)専門家との事前打ち合わせをしっかりと行い、指摘事項等を事前に網羅し、対策を打っておくこと。

これらの対応は事前にとっておくことをお勧めします。

また労働基準監督署調査で不安なことがあればご相談ください。

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