お役立ちコラム

特別利子補給制度

今回は特別利子補給制度について、ご説明をさせていただきます。

補助金や助成金とは違う制度となりますが、趣旨としては新型コロナウイルス感染症の影響を受けている経営者様への給付制度となります。

日本政策金融公庫からの融資で「新型コロナウイルス感染症特別貸付(国民生活事業)」などでの借り入れから、こちらの「特別利子補給制度」をご利用する流れとなります。

【概要】

 新型コロナウイルス感染症の影響によって売り上げが減少している経営者様へ支援することを目的としており、日本政策金融公庫などの公的金融機関からの新型コロナウイルスに関する特別貸付でかかる利息を実質的に無利子にします。

 無利子にすることで、経営者様の資金繰りを支援するための事業となります。

 こちらの助成金のおおまかな流れは下記のとおりです。

  1.公的金融機関からの融資

  2.経営者様から特別利子補給制度事務局へ申請

  3.特別利子補給制度事務局から経営者様へ助成金の一括支給

  4.経営者様から公的金融機関へ利子の支払い

   ※4については借入時以降から利子の支払いは発生します。

    先に利子は支払いますが、後で利子分の助成金支給を受けるイメージです。

【申請期限】

申請期限は令和3年12月31日(金)(当日消印有効)となります。

 ※オンライン申請の場合は、申請期限までに申請を完了する必要がございます。

【助成金対象期間】

 公的金融機関から貸付を受けてから起算して最長3年間の利子相当額が助成金として給付されます。

【助成金の対象者要件】

 特別利子補給制度に該当する要件は下記の1~6に該当する必要がございます。

 1.助成金対象となる新型コロナウイルス感染症特別貸付を受けていること。

 2.下記①~④ごとの事業規模でそれぞれ売上要件に該当すること。

 ①事業性のあるフリーランス

  →要件なし

 ②小規模企業者(個人事業主)

  →要件なし

 ③小規模企業者(法人事業者)

 →新型コロナ特別貸付の申込を行った際の直近1か月、その翌月、その翌々月の売上高、直近1か月からさかのぼった6か月間の平均売上高※1、直近2週間等の売上高※2が、前年、前々年、3年前の同期※3と比較して15%以上減少※4※5していること。

 ④中小企業者等(①~③除く)

 →新型コロナ特別貸付の申込を行った際の直近1か月、その翌月、その翌々月の売上高、直近1か月からさかのぼった6か月間の平均売上高※1、直近2週間等の売上高※2が、前年、前々年、3年前の同期※3と比較して20%以上減少※4※5していること。

 事業規模は、「申告書(別紙2)」に載っている「日本標準産業分類(中分類番号)表」に記載されている「小規模企業者に該当する場合の常時使用する従業員数」と特別貸付申込時点における常時使用する従業員数とを比較して、小規模企業者の要件に該当するか、該当しないかを判定することができます。

 下記、参考用URLです。(業歴1年1か月以上の法人の方を抜粋しています。)

 https://tokubetsu-riho.jp/downloads/declaration_form_A.pdf?1620449140

 3.誓約・同意書に掲げる誓約内容及び同意事項を遵守することを誓約した者であること。

 4.本事業以外の新型コロナ特別貸付に係る利子補給の助成金の交付を受けていない者または受ける予定のない者であること。(ただし、本事業の対象外に係る部分の助成金を除く。

(自治体独自に行っている助成金制度を既に受けている場合などです。))

 5.補助金等指定停止措置または指名停止措置が講じられていない者であること。

 6.反社会的勢力に該当せず、かつ、将来にわたっても該当しないこと及び反社会的勢力と関係を持つ意思がないことを確約する者であること。

  ※1. 直近1か月、その翌月、その翌々月の売上高、直近1か月からさかのぼった6か月間の平均売上高

    令和2年12月21日以降に貸付を受けた方に限り、選択できます。

  ※2. 直近2週間等の売上高の比較

    令和3年1月22日以降に貸付を受けた方に限り、選択できます。

  ※3. 3年前同期との比較

    令和3年1月22日以降に貸付を受けた方に限り、選択できます。

  ※4. 売上高の要件

    業歴が1年1か月以上か未満かによって、売上高減少率の算出方法は異なります。

    詳しくは末尾のURLよりご確認をお願いいたします。

  ※5. 特殊事情がある場合

    以下の特殊事情の影響を受けた方のうち、所定の条件を満たす方は、前年、前々年、3年前の同期の売上高ではなく特殊事情の影響を受ける直前の同期の売上高と比較することができます。

    [特殊事情の内容]

     ・自然災害(台風、地震、豪雨等)

     ・事業者本人等の怪我、病気等

     ・店舗などの増築、改築、建替(一部の増築等を含む)

【助成金の対象となる貸付】

1.助成金の対象となる貸付制度

 以下の公的金融機関からの貸付が助成金の対象となります。

  日本政策金融公庫(中小企業事業)

   ・新型コロナウイルス感染症特別貸付

  日本政策金融公庫(国民生活事業)

   ・新型コロナウイルス感染症特別貸付

   ・生活衛生関係営業新型コロナウイルス感染症特別貸付

   ・小規模事業者経営改善資金(マル経)(新型コロナウイルス感染症関連)

   ・生活衛生関係営業経営改善資金特別貸付(衛経)(新型コロナウイルス感染症関連)

  商工組合中央金庫(略称/商工中金)

   ・新型コロナウイルス感染症特別貸付 ※中小企業向けの制度に限ります。

  これら以外にも、沖縄公庫と日本政策投資銀行での貸付制度もございます。

  詳しくは末尾のURLにてご確認くださいませ。

2.助成金の対象となる貸付の上限額

 日本政策金融公庫(中小企業事業)、商工組合中央金庫など

  引き上げ後 → 3億円

  引き上げ前 → 2億円

 日本政策金融公庫(国民生活事業)など

  引き上げ後 → 6,000万円

  引き上げ前 → 4,000万円

 貸付金の上限は新規融資と既往債務借換との合計金額となります。

 貸付上限の引き上げ日以降に貸付を受けたものが「引き上げ後」の対象となります。

 引き上げ日は各公的金融機関によって異なりますので、ご確認くださいませ。

 商工組合中央金庫と日本政策投資銀行の上限額は合算となりますので、ご注意ください。

今回は「特別利子補給制度」をご説明させていただきました。

新型コロナウイルス感染症の影響により売り上げが減少している経営者様で融資をご検討の方はこちらの制度もあわせてご活用いただければと考えています。

日本政策金融公庫での「新型コロナウイルス感染症特別貸付」では元本返済までの据え置き期間が5年間設けられており、融資を受けてから最初の3年間は利息の支払いも含めて実質止めておくことができます。

直近の資金繰りで悩まれている経営者様が活用されるだけでなく、将来の資金繰りで不安に感じられている経営者様もこちらの融資と特別利子補給制度をご利用されるのも経営判断として正しいのではと考えております。

また、売り上げの要件について、わかりにくい内容かと思います。とりあえず該当するかを直接、日本政策金融公庫などへご相談されてみるのも良いかと存じます。

もちろん弊所でお問い合わせいただきましたら、確認をさせていただきます。

緊急事態宣言の延長がされ(令和3年5月時点)、まだまだ先行きが不透明な状況が続いています。

今後もどうなるかわからない状況ですので、少しでも多く手元に資金を確保することがとても重要です。新しく売り上げを確保するための事業活動や人材の確保などでも資金は必要となります。

逆に考えれば、資金さえ確保できていれば会社は潰れません。

これからも経営者様にとって、必要と思われる情報を提供してまりますので、お役に立てれば幸いです。



【参考】

 特別利子補給事業

 https://tokubetsu-riho.jp/

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