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法改正で相続手続きがスムーズに!

 民法の相続に関する規定が約40年ぶりに改正され2019年から順次実施されます。 家族の形の変化に伴い相続争いが増えたことなどに対応したものですが、円満な家庭でも相続に備えやすくなる改正もあります。

法改正で相続手続きがスムーズに

 「自筆証書遺言」に関する改正があります。 自筆証書遺言は一人で手軽に作れる遺言書で、筆記用具と印鑑があればよいため費用もかかりません。しかし、すべての文章を自筆で書く必要があり、途中で間違えたり法律上求められる方式に従わず遺言が無効になるケースがありました。

 改正後は、遺言の本文だけを自筆で書けば、財産目録はパソコンで作った資料や、通帳のコピーの添付でも認められます。 ただし、財産目録の全ページに署名押印が必要です。

 「自筆証書遺言」を法務局で保管する制度もできます。  

 封をしていない遺言書を住所地や本籍地などの法務局に持参すると、日付の記載もれや押印もれなど、方式に不備がないかの形式的なチェックを行った後、原本とデータ化した内容を法務局で保管してくれます。遺言書の紛失や変造のリスクがなくなり、故人の希望が実現されやすくなります。

 従来の自筆証書遺言は、遺言者の死後、相続人が家庭裁判所で「検認手続き」を行う必要がありますが、法務局で保管された自筆証書遺言は検認手続きが不要となります。

 「預金の仮払制度」も創設され、遺産分割協議前でも相続人が故人の預金を一定額まで払い戻せます。相続手続きがよりスムーズになります。

 「配偶者」の住まいを守る仕組みもできました。 婚姻期間20年以上の配偶者に自宅が生前贈与や遺言で残された場合、自宅は遺産分割の対象から除かれます。

 配偶者が自宅を相続できなくても、例えば遺産分割協議がまとまるまでは無償で住める「配偶者短期居住権」」や相続税の課税対象にはなるものの生涯無償で住める「配偶者居住権」も創設されています。

 相続トラブルを解決しやすくなる改正も行われています。 従来は、亡くなった方から相続人への全ての生前贈与を遺産に合算し、遺留分(遺言がある場合の取り分)を計算しました。 改正後は、原則過去10年間の生前贈与に限られます。

 相続人以外の親族が無償で故人の介護をしていた場合は、相続人に金銭の支払いを請求でき苦労に報いる手段もできました。

 今回の改正を機に、家族で話し合って準備することが大切です。

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