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法人成り その9(事業承継、相続対策)

経営者が死亡し、相続が発生する場合に個人事業と法人、どちらの方が後継者にとって事業を継続するのに良いかを検証していきます。

≪個人事業の場合≫

 個人事業の経営者が亡くなった場合、経営者名義の預金口座は遺産分割か完了するまで全て凍結され、私用することができなくなります。

つまり、経営者が使用していた事業用口座も凍結される事になり、売上の入金、仕入・経費の支払いがストップします。

個人事業の場合、経営者の事業用財産・個人財産すべてが相続財産となるためです。

また、経営者の相続人が複数いる場合には、後継者が事業用の財産を全て相続できるとは限りません。経営に関与していない相続人に事業用財産の一部が相続されてしますと、後継者にとって大きな障害となります。

≪法人の場合≫

 法人の経営者が亡くなった場合には、個人事業の様に事業用の口座が凍結されることはありません。事業用財産は全て法人のものです。そのため経営者が亡くなったとしても、事業を継続するにあたり、個人事業の様な影響を受けることはありません。

経営者に複数の相続人がいた場合には、経営者が所有していた会社の株を遺産分割により分けていきます。

事業用財産が直接、他の相続人にいくことはないので、事業継続への影響は低いです。

しかし、経営に関与しない相続人に一部の株が渡ってしまうと、議決権割合の影響により、後継者が経営判断をする際の障害になることがございます。

ただ、こちらの問題は生前に計画的に後継者へ贈与等の方法で解消することができます。

後継者にとっては、事業を承継するのに法人である方が良いケースが多いです。

それ以外にも個人事業の場合、経営者名義の契約や事業用財産を全て後継者の名義にしていかないといけなくなります。

法人の場合相続により名義を変更する事は個人事業ほど多くありません。

契約の内容によって代表者変更の取り交わしや、通知が必要な場合もございますが、契約者は法人になるので、個人事業より大変にはなりにくいです。

今回は以上となります。

ご参考いただければ幸いです。

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