法人成り その5(青色欠損金について)
今回は青色欠損金の取り扱いについて、法人と個人での違いをご説明致します。
(ここでの青色欠損金は法人では青色欠損金、個人事業では純損失の繰越しを言います。)
そもそも青色欠損金とは過去から現在までに溜まった赤字の事です。
税務上、黒字が出た年度から過去の赤字と相殺して、税金を計算することができます。
(会社にとって有利な規定です。)
下記に例題を記載致します。
(税率は30%とします。)
1年目 利益 500万円 → 税金150万円
2年目 利益 △600万円 → 税金0円
※3年目 利益 200万円 → 税金0円
※税務上は△600万円-200万円=△400万円 < 0円と計算されます。
よって、税務上の利益は0円となるため、税金は0円となります。
また、4年目以降も△400万円を繰り越して利用することができるのです。
この青色欠損金を引き継げる期間が法人と個人とで違います。
法人は10年間引き継ぐことができます。
個人は3年間引き継ぐことができます。
(法人の10年間はH30年4月1日以後に開始する年度から発生した青色欠損金です。それ以前に発生した青色欠損金は9年間です。)
法人と個人で期間がかなり違います。
青色欠損金だけで考えますと、事業が軌道に乗った際に赤字から黒字に切り替わった年度あたりは、まだまだ資金力が脆弱なことが多いです。過去の赤字を有効に使い、納税負担を減すことができる法人の方が断然有利と考えています。
注意点としましては、法人・個人ともに、青色申告にて毎年きっちり確定申告をする必要がございます。
今回は以上となります。
法人成りをされる方、法人で起業をお考えの方、ご参考いただければ幸いです。