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相続に関する地銀の動きと美術品鑑定!

 相続に対する銀行の動きや美術品鑑定についていろいろ便利なしくみがあります。 その一例を簡易にまとめたものをお届けしますのでぜひご覧ください。

[1]相続資産の地銀離れ対策  

 顔の見える地場の地銀に相続を見てもらいたいというニーズに応えました。 地方の親から都市に住む子への相続で、地域金融機関の預金が都市部の大手銀行などへ流出することを食い止めようと、地方銀行などは信託銀行と連携するなどして相続をめぐるサービスを充実させて預金流出を防ごうとしています。

 例えば、山陰合同銀行(松江市)は、H30年7月から、みずほ信託銀行が地銀向けにつくった信託商品の取り扱いを始めました。 高齢の人などが、自分の財産をあらかじめ信託しておき、死後に相続人などに葬儀費用や生活費をスムーズに渡せるようにする商品です。 なお財産の管理は信託免許を持つ信託銀行が行ないます。

 一般に、信託業の免許がない地方銀行は、信託代理店として信託銀行の商品を販売します。 販売手数料は入るが、信託された預金は信託銀行に移り、その後の相続で都市部に住む子供達の口座に流出する可能性があります。

 今回では、山陰合同銀行が顧客に信託商品を売ると、みずほ信託に顧客の預金は移りますが、みずほ信託は、同額のお金を地銀に預けて運用してもらう仕組みにしました。 さらに顧客の相続人には地銀に口座を開いてもらいます。 顧客の死後には相続人の口座へ信託されたお金を移し、地銀には相続後もお金がとどまります。

  他の地銀にも同様の信託ビジネスを検討しているところもあるようです。 また、地銀のなかには、自ら人材を育成するなどして体制を整え、金融庁から銀行と信託業務の兼営認可をとる動きもでてきました。

[2]美術品の鑑定と値付け

  一般財団法人「東美鑑定評価機構」が美術品の真贋の見極めに加えて基準となり得る値付けまでをする事業を始めました。

 機構は国内最大規模の全国約500の美術商で作る「東京美術倶楽部」(東美)が母体となり、機構が出す鑑定証書と価格を示した評価証書は高齢化で増えている相続や贈与の際の評価、美術品を担保にした融資、美術品への損害保険適用に役立ちます。

 世界の美術品の売買は7兆円規模ですが、国内は約2,400億円です。機構は公正な値付けで美術市場の活性化にも貢献したいとしています。

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